自費治療の価格についてのお知らせ
昨今の世界情勢・為替変動により、自費治療に使用する材料費が大幅に高騰しております。
当院でも現在の価格を維持した治療が大変困難となっており、2022年11月より価格改定を行うこととなりました。
詳しくは当院スタッフにご確認ください。
歯周病とは
歯肉の病気には、歯肉炎と歯周組織炎に分けられます。歯肉炎は、小児・若年者に多く歯肉に限局した病気で、土台である骨までは浸かされません。歯周組織炎は、一般的に「歯槽膿漏」、「歯周病」と言われている病気で、歯肉だけでなく、土台となる骨までボロボロに溶けていき、膿が出てくる病気です。両方合せると、80%以上の人が罹患しているのが現状です。
歯周内科治療とは
内科的歯周治療とは、細菌検査法(RCR-Invader法、培養によるコロニーカウント、位相差顕微鏡による形態学的検査、酵素活性検査法)、歯周基本処置(Scaling,SRP,P-cur等)、抗菌薬の三つを柱とした治療である。
「歯周病の予防・管理をして、患者様の全身的健康に寄与すること」を前提として、現在の歯周治療の主流である外科的歯周治療では、根本的に患者様に幸せを感じていただけないので、当院では歯周内科治療を行っています。
歯周病は糖尿病の合併症!
歯周病は生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症等)の中の「糖尿病」の第6の合併症に認定されました。歯周病と糖尿病は相互に症状に関与していくのです。しかも頻度が髙く、放置によって重篤な症状を招きます。喫煙は両方に悪影響!!!また、生活習慣病により、動脈硬化が起こり、死因3大疾患の二つ「脳血管障害」と「心臓病」が引き起こされているのです。
歯周病治療の方法
歯周治療を受けるには、従来の方法で保険適応の方法と、自費(保険適応外)で行う方法があります。
歯周病でお困りの患者様には自費治療をお勧めします!!!
歯周病の治療費
自費治療の方法
- 基本的歯周内科治療
- ¥22,000(3回分の下記の内容)(消費税込み)
1回目~ 位相差顕微鏡検査、お口の写真撮影、治療説明、お薬の説明、お薬の歯磨き説明(薬代金、歯磨き材、専用歯ブラシ込み)
2回目~ 位相差顕微鏡検査、PMTC、お口の写真撮影
3回目~ 位相差顕微鏡検査、お口の写真撮影、PMTC - その後の定期健診(3ヶ月に1回~半年に1回)
- 3ヶ月後
¥3000程度
歯磨き材1本¥2,200
位相差顕微鏡検査、PMTCなど必要に応じて処置します。
- 自費治療(歯周内科治療)の利点
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- 通院回数が少ない
- 一番効果のある治療(効果のある薬を使える)である
- 不必要な検査、手術をしなくても良い
- 3割負担の保険とトータルでは大きく変わりはない
保険治療の方法
保険の治療に準じて行いますが、カビ菌を退治する薬は使えません。歯磨き材(2,000円)は別途必要です。
- 初診~数回
- パノラマレントゲン検査、お口の写真検査、歯茎の検査+基本治療PMTC+歯茎の検査+深い歯石取り+歯茎の検査、歯周外科等
3割負担で合計\10,000(歯周外科2,3箇所含むと\15,000~)
- 保険治療の利点
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- 負担金は少し安い
- 保険治療の欠点
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- 回数が多い、無駄な検査が多い、時間がかかる
当院では安心・安全・確実・誠実な歯科治療を目指しています。
歯周病菌の映像
歯周病の原因(これまでの考えかたは間違っていた!!!)
直接的な原因は、プラーク(歯垢)ですが、その他遺伝等様々な要因が関わっていると今までは言われてきました。ただし、研究が進んだ現在は、「歯周病は感染症」であり、その主原因は「真菌(カビ)」だとわかってきました。つまり、真菌と細菌の混合感染である。それは、カンジダ・アルビカンスという菌が主な原因であり、その他バクテロイデス・ジンジバーリス、トレポネーマ・デンティコーラ、プレボテラ・インターメヂィア、タンネレラ・フォーサイシス、線状細菌、口腔トリコモナス、歯肉アメーバなども関与しています。
- 因みにプラーク1mgの中には、1億の微生物がいるとされています。
- カンジダ・アルビカンスが貪食されない理由
真菌感染では、酵母様細胞の形で感染していても大きいものがあり、加えて多くの真菌は菌糸の形で組織に侵入していくため、多形核白血球やマクロファージは物理的に貪食が不可能となる。
その他増悪因子
- 糖尿病~身体の免疫力が低下しており、感染しやすいので、治りにくい。
- 喫煙~血流が悪くなるので、歯周病が進みやすく、治りにくい。
- ストレス~身体の免疫力低下を引き起こすので、治りにくい。
- 口呼吸~口呼吸の人は口の中が乾燥しており、感染しやすい。
- 歯列不正~口腔清掃がやりにくいので、プラークが残りやすい。
- 偏食等~偏食による栄養不足や軟性粘着食はプラークが付きやすい。
歯周病の成り立ち
歯周病の成り立ち(病理組織学的、生化学的)
- 歯肉へ付着したカンジダ・アルビカンスは、菌糸形となり、蔗糖、ブドウ糖、麦芽糖を発酵し、代謝し蟻酸・酢酸を産生し周辺環境を酸性環境(PH2.5~4.5)へ変える。(カリエスはこの時点で発生する。)
- 周辺環境を酸性に変えるとCAPPという蛋白分解酵素を産生し、穿孔器官より分泌し歯肉上皮に侵入する。CAPPはケラチン、コラーゲンを分解し栄養源となるアミノ酸を得るのに必要な酵素である。
- 歯肉上皮への侵入・通過に成功してさらに組織を侵襲すると、強い炎症反応と組織障害が引き起こされる。また、カンジダ・アルビカンス菌体成分や代謝産物のあるものは、宿主防衛機構に対して阻害的に働く事が示唆されている。その結果歯肉組織に慢性炎症が引き起こされる。
- 慢性炎症が生じるため、ポケットの増可や歯肉上皮の破れが生じ、細菌感染が二次的に起こり、細菌の菌体内・外毒素によりさらにポケット内の炎症が進行し、重篤な歯周炎へといたる。プラークを位相差顕微鏡で観察すると、細菌はカンジダ・アルビカンスをバイオフィルムとして凝集している。
- 歯肉縁上プラークにおいては、好気性菌とカンジダ・アルビカンスの共生により、歯肉縁下プラークにおいては、嫌気性菌とカンジダ・アルビカンスの共生により、菌は保護されている。各々の菌とカンジダ・アルビカンスは強固なグルカン結合により結びついているため、白血球は、菌を貪食できない。